1 総則

 総則では、ボイラー及び圧力容器安全規則全体について共通するボイラーなどの定義(この規則で使っている重要な用語の意味を明確にした物)と伝熱面積の計算方法を定めている。

1.1 ボイラーの定義

 ボイラーには、[蒸気ボイラー]と[温水ボイラー]とが有り、それぞれ次の三つの要件を満足するものを言う。

1.1.1 蒸気ボイラー

(1)熱源が火気・高温ガス又は電気であること。
(2)水又は熱媒を加熱して蒸気を作る装置であること。
(3)作った蒸気を他に供給する装置であること。
 なお、蒸気を発生させても熱源が(1)にあげた物でないもの、例えば蒸気を熱源とする蒸気発生器は、蒸気ボイラーには該当しない。(2)の熱媒とは、熱の伝達に用いられる物質(流体)を言い、水銀、熱媒油(芳香族又は石油系炭化水素、芳香族塩素誘導体などでNeO-SK油、ダサム油などが用いられている)など圧力に対して飽和温度の高い流体が用いられる。

1.1.2 湯水ボイラー

 温水ボイラーは、上記「蒸気ボイラー」の3要件の中の(2)及び(3)の中の「蒸気」を「温水」に置き換えてください。

1.1.3 ボイラーの区分

 ボイラーは、その大きさなどの規模によって小さい物から、1.簡易ボイラー、2.小型ボイラー、3.ボイラーに区分され、それぞれの危険度に応じて段階的に規則が厳しくなっている。
  簡易ボイラー 小型ボイラー ボイラー
小規模ボイラー ボイラー
蒸気ボイラー  
ゲージ圧力 1kg/m2以下 1kg/m2以下 −−−− 左記に
該当しない物
伝熱面積 0.5m2以下 1.0m2以下 3.0m2以下
蒸気ボイラー  
ゲージ圧力 1kg/m2以下 1kg/m2以下 −−−− 左記に
該当しない物
胴の内径 200mm以下 300mm以下 750mm以下
胴の長さ 400mm以下 600mm以下 1300mm以下
蒸気ボイラー  
ゲージ圧力 3kg/m2以下 −−−− −−−− 左記に
該当しない物
内容量 0.0003m3以下 −−−− −−−−
蒸気ボイラー 大気に開放した内径が25mm以上の蒸気管を取付けた物
伝熱面積 2.0m2以下 3.5m2以下 −−−− 左記に
該当しない物
蒸気ボイラー 内径が25mm以上のU形立菅を蒸気部に取付けた物
伝熱面積 2.0m2以下 3.5m2以下 −−−− 左記に
該当しない物
水頭圧 5m以下 5m以下 −−−−
湯水ボイラー  
水頭圧 10m以下 10m以下 20m以下 −−−− 左記に
該当しない物
伝熱面積 4.0m2以下 8.0m2以下 2.0m2以下 14.0m2以下
貫流ボイラー 管寄せの内径が150oを超える多管式の物を除く次の物
ゲージ圧力 10kg/m2以下 10kg/m2以下 −−−− 左記に
該当しない物
伝熱面積 5m2以下 10m2以下 30m2以下
  気水分離器を有する場合
気水分離器の内径 200mm以下 300mm以下 400mm以下
気水分離器の内容積 0.02m2以下 0.07m2以下 0.4m2以下
貫流ボイラー 管寄せ及び気水分離器のいずれも有しない物に限る
内容量 0.004m3以下 −−−− −−−− 左記に
該当しない物
内容量×ゲージ圧力 0.2 −−−− −−−−


1.2 最高使用圧力の定義

 蒸気ボイラー又は第一種圧力容器若しくは第二種圧力容器についてその構造上使用可能な最高のゲージ圧力(以下この規則では、単に「圧力」と言う)を最高使用圧力と言う。なお、ボイラーの適用にあたってのゲージ圧力とは、使用可能な最高値を表すこととなるから、法令適用上のゲージ圧力と最高使用圧力は同意味となる。また、温水ボイラーについては、その構造上使用可能な最高の水頭圧を最高使用圧力と言う。
「構造上使用可能な最高圧力」とは、そのボイラーなどの構造上安全に使用することのできる最高の圧力と言うことで、具体的には、そのボイラー等の最高使用圧力を定めた構造規格に定める算式によってそのボイラー等の各圧力部分の最高圧力を算定し、そのうちの一番小さな値をそのボイラー等の最高使用圧力とする。


1.3 伝熱面積

 ボイラーの燃料の燃焼によって生じた熱は、ボイラー胴、水管、煙官、炉筒などに放射及び伝導により熱伝達され、燃焼ガス側から水側に伝わり、さらに対流によりボイラー水を温める。このようにして、燃料の燃焼熱はボイラー水に伝えられる。したがって、ボイラーの蒸気又は温水の発生能力は、熱を伝える壁面(水管、煙官、炉筒などの燃焼ガスにさらされる面で裏面が水や熱媒に接している部分)の広さに左右されるわけである。この壁面の広さを『伝熱面積』と定義したのである。伝熱面積は、ボイラーの蒸気(又は温水)の発生能力を表す尺度になるので、この大きさによってボイラー取扱作業主任者やボイラー取扱者の資格要件に関するボイラーの範囲、小型ボイラーや簡易ボイラーの範囲が定められている。伝熱面積は、ボイラーの種類ごとに次のように計算する。

1.3.1 水管ボイラー及び電気ボイラー以外のボイラー

 丸ボイラー、鋳鉄製ボイラーなどのボイラーでは、火気、燃焼ガスその他の高温ガス(以下『燃焼ガス』と言う)に触れる本体の面で、その裏面が水又は熱媒に触れる物の面積を合計する(伝熱面にひれ、スタッドなどがあるものは、別に計算した面積を加える)したがって、丸ボイラーでは、煙官についてはその内径側で、又、水干についてはその外径側で伝熱面積を計算する。

1.3.2 貫流ボイラー以外の水管ボイラー

 貫流ボイラー以外の一般の水管ボイラーでは、水管及び官寄せの次の面積を合計する。
イ.水管(次のロからホまでに該当する水管を除く)又は官寄せでその全部又は一部が燃焼ガス等に触れる面の面積
ロ.ひれ付水管については、水管へのひれの取り付け状態と受熱の状態によりひれの面積に一定の係数を乗じた面積
ハ.耐火れんがにおおわれた水管については、菅の外周の壁面に対する投影面積
ニ.スタッドチューブについては、受熱の状態によって管又はスタッドの面積に一定の係数を乗じた面積
ホ.ベーレー式水壁については、燃焼ガスなどに触れる面の面積

1.3.3 貫流ボイラー

 燃焼室入り口から過熱器入り口までの水管の燃焼ガスなどに触れる面の面積を合計する.

1.3.4 電気ボイラー

 電力設備容量20kW1uとみなしてその最大電力設備容量を換算した面積を求める。最大電力設備容量をEkWとすると、電気ボイラーの伝熱面積(HSu)は、HS=0.05Euとなる。なお、水管ボイラーの胴、節炭器、過熱器及び空気予熱器は、伝熱面積には算入しないことに注意すること。


1.4 圧力容器の定義

 圧力容器には、その種類、規模などは種々あり、危険性の度合いもまちまちである。これらを一律に規定で規制することは、実情に即しないので、第一種圧力容器第二種圧力容器とに区分している。

1.4.1 第一種圧力容器

 第一種圧力容器は、その内部において煮沸、加熱、反応などが行われるものでありその結果として、品物の出し入れ、蒸気の発生などの危険を伴う。内部に液体を保有する場合には、液体の温度はその液体の大気圧における沸点以上に達している。したがって、ボイラーの気水ドラムと同様な破裂の危険性をもっている。

(1)第一種圧力容器の作用による区分。

第一種圧力容器は、その作用により次の四つに区分されている。
1.加熱器 蒸気その他の熱媒によって固体又は液体を過熱する容器(煮沸器、殺菌器、精錬器など)
2.反応器 化学反応、原子核反応などによって内部に蒸気が発生する容器(反応器、原子力関係容器など)
3.蒸発器 液体の成分を分離するため、これを過熱し、その蒸気を発生させる容器(蒸発器、蒸留器など)
4.アキュームレータ 大気圧における沸点を超える温度の液体を内部に保有する容器(スチーム・アキュームレータ、フラッシュタンク、脱気器など)

(2)第一種圧力容器の規模による区分。

 第一種圧力容器は、その大きさなどの規模によって小さい物から、1.適用外容器 2.(簡易)容器 3.小型圧力容器 4.第一種圧力容器に区分され、それぞれの危険度に応じて段階的に規制が厳しくなっている。以下、規模の小さいものから順にその区分を説明する。
  ゲージ圧力 内容積 胴の内径 胴の長さ ゲージ圧力×内容積
1.適用外容器 1.加熱器、2.反応器、3.蒸発器、4.アキュームレータのいずれかの作用を有する圧力容器であって、次のいずれかに該当する規模の小さいもので、労働安全衛生法の規制をうけないもである。
>イ >1kg/m2以下 >0.01m3以下      
        0.01以下
2.(簡易)容器 適用外容器より規模の大きい容器で、次のいずれかに該当するもで、構造規格の遵守が義務づけられているが、ボイラー及び圧力容器安全規則の適用が除外されており、監督官庁などによる検査などは義務づけられていない。
1kg/m2以下 0.04m3以下      
1kg/m2以下   200mm以下 1000mm以下  
        0.04以下
3.小型圧力容器 (簡易)容器より規模の大きい容器で、次のいずれかに該当するもで、構造規格の遵守、製造時の個別検定、定期自主検査などが義務付けられている。
1kg/m2以下 0.2m3以下      
1kg/m2以下   500mm以下 1000mm以下  
        0.2以下
4.第一種圧力容器 上記の容器のいづれにも該当しない規模の容器で、製造許可をはじめ、製造、設置、使用中などの各段階での監督官庁などによる検査が義務付けられている。

1.4.2 第二種圧力容器

 第一種圧力容器が大気圧における沸点を超える温度の液体を内部に保有するのに対して、第二種圧力容器は、内部に圧縮気体を保有するものである。このため、容器の一部に不良箇所があり開口部を生じても内部の気体が勢いよく噴出する程度の危険性に留まる。したがって、規制の上でも第一種圧力容器よりは緩い取扱を受けている。エアーレシーバ(圧縮空気タンク)、ガスホルダ、乾燥用シリンダ、炊事用二重釜、真空蒸発器などが第二種圧力容器に該当する。

(1)第二種圧力容器の区分

 第二種圧力容器は、その大きさによって小さいものから、1.適用外容器、2.(圧力気体保有)容器、3.第二種圧力容器に区分される。
  ゲージ圧力 内容積 胴の内径 胴の長さ
1.適用外容器 大気圧を超える圧力を有する気体をその内部に保有する容器であり、1.加熱器、2.反応器、3.蒸発器、4、アキュームレータのいずれかの作用を有せず、第二種圧力容器にも該当しないものである。この容器は、労働安全衛生法の規制を受けない。
    0.1m3以下    
2.(圧力気体保有)容器 適用外容器より規模の大きな同種の容器で、第二種圧力容器にも該当しないものである。構造規格の遵守が義務づけられているが、ボイラー及び圧力容器安全規則の適用が除外されている。
    0.1m3以上    
3.第二種圧力容器 気体をその内部に保有する容器(第一種圧力容器を除く)であり、次のいずれかに該当する容器。構造規格の遵守、製造時の個別検定、定期自主検査などが義務付けられている。
2kg/m2以上 0.04m3以上    
2kg/m2以上   200mm以上 1000mm以上





2 ボイラー

2.1 製造

2.1.1 製造許可

 ボイラーの製造に着手する前に、その設計、工作などを審査し、ボイラーの安全を確保するために許可制となっている。
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1.だれが ボイラーを製造しようとする者
2.いつ ボイラーを製造する前に(あらかじめ)
3.何について 製造しようとするボイラー(設計及び製造)
4、どこに ボイラーを製造しようとしている事業場の所在地を管轄する都道府県労働基準局長
所轄都道府県労働基準局長)
5.提出書類 ボイラー製造許可申請書
6.添付書面 一)ボイラーの構造図
二)次の事項を記載した書面
 イ)強度計算
 ロ)ボイラーの製造および検査のための設備の種類、能力及び数巣
 ハ)工作責任者の経歴の概要
 ニ)工作者の資格及び数
 ホ)溶接によって製造するときは、溶接施行法試験結果
7.その他 一)すでに許可を受けているボイラーと同一型式のボイラーについては改めて
  製造許可を受ける必要はない。
二)(6.のロ)の設備又は、(6.のハ)の工作責任者を変更したときは、延滞なくその旨を
  所轄都道府県労働基準局長に報告しなければならない(変更報告)。

2.1.2 構造検査

 構造検査は、製造されたボイラーがボイラー構造規格に適合し、その安全が確保されていることを確認するために行われる。

 (1)構造検査

1、だれが ボイラーを製造した者
2.いつ ボイラーを製造したとき
3.何について 製造したボイラー
4.どこに 所轄都道府県労働基準局長《組立て式ボイラー(水管ボイラー、鋳鉄製ボイラーなど)に
ついては、そのボイラーの設置地を管轄する都道府県労働基準局長》
又は、製造時等検査代行機関特定廃熱ボイラーに限る)
5.提出書類 ボイラー製造検査申請書
6.添付書類 ボイラー明細書
7.その他 一)溶接によるボイラーについては、溶接検査に合格した後でなければ構造検査を
  受けることが出来ない。
二)製造時等検査代行機関とは、一定のボイラー(現在では、特定廃熱ボイラーのみ)の
  構造検査および溶接検査を行うことについて労働大臣の指定を受けた者をいう。
三)特定廃熱ボイラーとは、火気以外の高温ガスを加熱に利用するボイラー
  (廃熱ボイラー)であって、高圧ガス保安法の特定設備に該当するものをいい、
  製造時等検査代行機関の構造検査及び溶接検査を受けることが出来る。
四)構造検査実施者(管轄都道府県労働基準局長又は製造時等検査代行機関)は、
  構造検査に合格したボイラーに所定の様式による刻印を押し、かつ、
  そのボイラー明細書に構造検査済の印を押して、申請者に交付する
五)管轄都道府県労働基準局長は、構造検査に合格した移動式ボイラーについて、
  申請者にボイラー検査証を交付する。

 (2)構造検査を受けるときの措置



 (3)都道府県労働基準局長の構造検査実施上の権限



2.1.3 溶接検査

 溶接によるボイラーの信頼性を増すために定められ、溶接工作の過程において行われるので、溶接検査の申請は、溶接作業に着手する前に行われなければならない。また溶接によるボイラーは、溶接検査に合格した後でなければ構造検査を受けることは出来ない。

(1)溶接検査

1.だれが 溶接によるボイラーの溶接をしようとする者
  (一般にボイラーを製造した者と同一の者である場合が多い)
2.いつ 溶接作業に着手する前
3.何について 溶接によるボイラーの溶接
4.どこに 所轄都道府県労働基準局長又は、製造時等検査代行機関(特定廃熱ボイラーに限る)
5.提出書類 ボイラー溶接検査申請書
6.添付書類 ボイラー溶接明細書
7.その他 一)溶接検査実施者(所轄都道府県労働基準局長又は製造時等検査代行機関)は、
  溶接検査に合格したボイラーに所定の様式による刻印を押し、かつ、
  ボイラー溶接明細書に溶接検査済みの印を押して、申請者に交付する。
二)次のボイラー等は、溶接検査を受ける必要はない。
 イ)付属設備(加熱器及び節炭器)及び圧縮応力以外の応力を生じない部分だけを
  溶接するボイラー
 ロ)気水分離器を有しない貫流ボイラー


(2)溶接検査を受けるときの措置



(3)ボイラーの溶接を行う者




2.2 設置



2.2.1 設置届

1.だれが ボイラー(移動式ボイラーを除く)を設置しようとする事業者
2.いつ ボイラーの設置工事開始の日の30日前まで
3.何について ボイラーの設置工事計画
4.どこに 所轄労働基準監督署長(事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長
5.提出書類 ボイラー設置届
6.添付書類 一)ボイラー明細書
二)ボイラー室及びその周囲の状況
三)ボイラー及びその配管の配置状況
四)ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造
五)燃焼が正常に行われていることを監視するための措置
7.その他 一)労働安全衛生規則により建築物又は他の機械等とあわせて、ボイラーについて届出を
  する場合などに事業場設置届とボイラー設置届はその内容が重複しないよう
  調整されている。
二)ボイラー設置届出後30日間に工事の差し止めなどの命令がない限り、30日後には
  自動的に工事に着手できる。
三)設置届は、構造検査などの受験前であっても提出することが出来る。

2.2.2 設置報告

 移動式ボイラーは、その性質場設置段階での手続きが落成検査の省略など簡素化されている。
1.だれが 移動式ボイラーを設置しようとする者
2.いつ 移動式ボイラーを最初に使用しようとする前に(あらかじめ)
3.何について 移動式ボイラーの設置
4.どこに 所轄労働基準監督署長
5.提出書類 ボイラー設置報告書
6.添付書類 一)ボイラー明細書
二)ボイラー検査証
7.その他 移動式ボイラーの設置報告を受けた労働基準監督署長は、ボイラーの検査証に
事業場の所在地及び名称を記載してその検査証明細書を事業者に変換する。

2.2.3 落成検査

 ボイラーの設置工事が終わったときに、所轄労働基準監督署長がそのボイラー及びボイラー室について検査を行い、使用して良いかどうかが決められる。
1.だれが ボイラーを設置した者
2.いつ ボイラーを設置工事が終了した後
3.何について 一)ボイラー
二)そのボイラーに関する次の事項
 イ)ボイラー室
 ロ)ボイラー及びその配管の配置状況
 ハ)ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造
4.どこに 所轄労働基準監督署長
5.提出書類 ボイラー落成検査申請書
6.その他 一)落成検査は、構造検査又は使用検査に合格した後でなければ受けることが出来ない。
二)落成検査は、移動式ボイラー及び所轄労働基準監督署長が検査の必要が無いと認めた
  ボイラーについては省略される。

2.2.4 ボイラー検査証

(1)交付

 所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格した場合又は落成検査を省略した場合に、そのボイラーについてボイラー検査証を交付する。

(2)有効期間

 ボイラー検査証の有効期間は1年である。

(3)使用等の禁止

 ボイラー検査証を受けていないボイラーは使用することは出来ない。また、ボイラー検査証を受けたボイラーは、ボイラー検査証と一緒でなければ、譲渡又は貸与してはならない。

(4)再交付

 ボイラー設置者は、ボイラー検査証を滅失し、又は損傷したときは、ボイラー検査証再交付申請書に関係書面又は損傷した検査証を添えて 所轄労働基準監督署長(移動式のボイラーのボイラー検査証については、所轄労働基準監督署長を経由してその検査証を交付した都道府県労働基準局長)に提出し、その再交付を受けなければならない。

2.2.5 使用検査

 使用検査は、輸入ボイラー、使用を廃止したボイラーを再び設置するなどで、設置に先立ち構造要件の具備状況を確認する物である。

(1)使用検査

1.だれが 一)ボイラーを輸入した者
二)構造検査または使用検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを
  設置しようとする者。
三)使用を廃止したボイラーを再び設置し、又は使用しようとする者。
四)外国においてボイラーを製造した者
2.いつ (1.)に該当するようになったとき
3.何について (1.)に該当するボイラー
4.どこに 都道府県労働基準局長又は、製造時等検査代行機関(特定廃熱ボイラーに限る)
5.提出書類 ボイラー使用検査申告書
6.添付書類 一)ボイラー明細書
二)構造規格に適合していることを証明する書面(輸入又は外国において製造された
  ボイラーについては、労働大臣が指定する外国検査機関が発行したもの)
7.その他 一)使用検査実施者(4.)は、使用検査に合格したボイラーに所定の様式による刻印を押し、
  かつ、そのボイラー明細書に使用検査済の印を押して、申請者に交付する。
二)都道府県労働基準局長は、使用検査に合格した移動式ボイラーについて、申請者に
  ボイラー検査証を交付する。

(2)使用検査を受けるときの措置

 使用検査を受ける者が、準備し、かつ、その検査に立ち合わなければならない義務は、前記構造検査の場合の規定が準備される。

2.3 性能検査

ボイラーは、使用中に高温、高圧を受けるなどして経年変化し、ボイラー各部に過熱、腐食、割れなどの損傷を生じる恐れがあるので、定期的にその状況を調査して、使用できるかどうかを決めることが必要である。規則ではこのために行う検査を性能検査と言い、この検査の結果により検査証の有効期間を更新することとしている。

2.3.1 性能検査

1.だれが ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者
2.いつ ボイラー検査証の有効期間が満了する前
3.何について 一)ボイラー
二)そのボイラーに関する次の事項
 イ)ボイラー室
 ロ)ボイラー及びその配管の配置状況
 ハ)ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造
4.どこに 所轄労働基準監督署長又は、性能検査代行期間(性能検査を行うことについて労働大臣の
指定を受けた者)
5.提出書類 ボイラー性能検査申請書(所轄労働基準監督署長の検査を受ける場合)
6.その他 一)性能検査を実施した者(4.)は、性能検査に合格したボイラーの検査証の有効期間を
  更新する。有効期間は、原則として1年であるが、性能検査の結果により、1年未満又は
  1年を超え2年以内の期間とすることが出来る。
二)(5.)において、性能検査代行機関の性能検査を受けようとする場合は、
  その代行機関の定める方法により申し込む。

2.3.2 性能検査を受けるときの措置

2.3.3 性能検査実施上の権限


2.4 変更、休止及び廃止

前節までは、ボイラーの製造から使用に至る通常の一連の手続関係の規制であるが、本節では、ボイラーの変更(修繕)、休止又は廃止などの事実が発生した場合の手続などを記す。

2.4.1 変更

ボイラーの安全上重要な部分を変更(修繕)しようとする場合、構造要件が低下しないことを期するために設けられたものである。

(1)変更届

1.だれが 次のいずれかの部分又は設備を変更しようとする事業者
 一)胴、ドーム、炉筒、火室、鏡板、天井板、官板、官寄せ又はステー
 二)附属設備(節炭器、過熱器)
 三)燃焼装置
 四)据付基礎
2.いつ 変更工事の開始の日の30日前まで
3.何について 変更工事計画
4.どこに 所轄労働基準監督署長
5.提出書類 ボイラー変更届
6.添付書類 一)ボイラー検査証
二)変更工事の内容を示す図面。
7.その他 一)(1.)の変更届を必要とする部分又は設備以外の物、例えば煙官ボイラーの煙官や
  水管ボイラーの水管は自由に取り替え、修繕が出来る。
二)ボイラー設置届の場合と同様に変更届と労働安全衛生規則による届出と
  届出内容が重複する場合は、変更届のみでよいことになる。

(2)変更検査

1.だれが 変更届を行った事業者
2.いつ ボイラーの変更工事が終了したとき
3.何について ボイラーの変更部分又は設備
4.どこに 所轄労働基準監督署長
5.提出書類 ボイラー変更検査申請書
6.その他 一)所轄労働基準監督署長が、変更検査の必要がないと認められたボイラーについては、
  変更検査は省略される。
二)所轄労働基準監督署長が変更検査のために必要があるときに、変更検査を受ける者に
  命ずることが出来る事項は、構造検査において都道府県労働基準局長が構造検査を
  受ける者に命ずることができる事項と同様である。
三)変更検査を受ける者は、この検査に立ち合わなければならない。

(3)ボイラ検査証の裏書

所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したボイラーについて、そのボイラー検査証に検査期日変更部分及び検査結果について裏書を行う。変更検査を省略されたボイラーについても同様に裏書が行われる。

2,4.2 事業者等の変更

 

2.4.3 休止

 

2.4.4 使用再開検査

 

2.4.5 廃止

 



2.5 ボイラー据付工事

2.5.1 ボイラー据付工事作業主任者

(1)ボイラー据付工事作業主任者を選任しなければならない工事。
(2)ボイラー据付工事作業主任者の資格
(3)ボイラー据付工事作業主任者の職務
(4)作業主任者の職務の分担



2.6 ボイラー室

ボイラーの設置場所

ボイラーは、ボイラー室(専用の建物又は建物の中の障壁で区画された場所)に、設置しなければならない。次のボイラーについては、ボイラー室は必要ない。
1.伝熱面積が3u以下のボイラー
2.移動式ボイラー
3.屋外式ボイラー

ボイラー室の出入口

事業者は、ボイラー室には、2以上の出入口を設けなければならない。(ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するのに支障がないボイラー室では出入口は1で良い。)

ボイラーの据付位置

ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離を1.2m以上としなければならない。
本体を被覆していないボイラー又は立てボイラーは、上記の制限のほかボイラーの外壁から壁、配管などのボイラーの側部にある構造物までの距離を0.45m以上としなければならない。

ボイラーと可燃物の距離

ボイラー、これに附設された金属性の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃物は、金属以外の不燃性の材料で被覆しなければならない。(厚さ100o以上の金属以外の不燃性の材料で被覆されている時はこの制限を受けない)燃料は、ボイラーの外側から2m以上離して貯蔵しなければならない。
1.固体燃料の場合は、1.2m以上あれば良い。
2.ボイラーと燃料又は燃料タンクとの間に適当な障壁を設けるなどの防火の為の借置を行ったときはこの制限を受けない。



2.7 ボイラーの取扱管理

ボイラーの規模別の取扱者の資格等

取扱者の資格等 ボイラー
    小規模ボイラー
小型ボイラー 簡易ボイラー
就業制限 ボイラー技士免許者
又は、職業訓練生
ボイラー取扱
技能講習修了者
 
就業前の教育 特別の教育を受けた物  
資格等の制限がない  


ボイラー取扱作業主任者の選任基準

取り扱うボイラーの伝熱面積の合計
(小規模ボイラーは伝熱面積に算入しない)
ボイラー取扱作業主任者の資格
貫流ボイラー以外のボイラー
(貫流ボイラー及び廃熱ボイラーを
混用する場合を含む)
(貫流ボイラーは伝熱面積×1/10)
(廃熱ボイラーは伝熱面積×1/2)
貫流ボイラーのみの場合
(実際の伝熱面積)
500u以上 250u以上 特級ボイラー技士
25u以上500u未満 一級ボイラー技士
25u未満 250u未満 二級ボイラー技士
小規模ボイラー
のみを
取り扱う場合
蒸気ボイラー(3u以下)
温水ボイラー(14u以下)
蒸気ボイラー
(胴の内径750o以下、
かつ、
胴の長さ1300o以下)
30u以下(気水分離器を
有する物では、その内径が
400o以下で、かつ、
その内容が0.4o以下の
物に限る)
特級ボイラー技士
一級ボイラー技士
二級ボイラー技士
ボイラー取扱
技能講習修了者


使用制限

事業者はボイラー構造規格に定める基準に合格したボイラーでなければ使用してはならない。


付属品の管理

安全弁が2個以上ある場合には、1個の安全弁を最高使用圧力以下で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の3%増以下で作動するように段階的に調整することが出来る。
圧力計又は水温計は使用中その機能を害するような振動を受けることが無いようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80度以上の温度にならない処置を講ずること。


点火

事業者は、ボイラーの点火を行うとき、ダンパーの調子を点検し、燃焼室及び煙道の内部を十分に換気した後でなければ、点火してはならない。


吹出し

事業者は、ボイラーの吹出しを行うときは、
1.1人で同時に2以上のボイラーの吹出しを行わない
2.吹出しを行う間は、他の作業を行わないこと。


定期自主検査

ボイラーについては、1年ごとに所轄労働基準監督所長又は、性能検査代行機関による性能検査が行われているが、ボイラー本体、燃焼装置、自動制御装置などの中には、更に短い期間ごとに点検を実施する必要がある。
事業者は、定期自主検査を行ったときはその結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。


整備作業

事業者は、ボイラー(小規模、小型、簡易ボイラーを除く)の整備の業務については、ボイラー整備士でなければ、整備業務につかせてはならない。


事故報告

ボイラーの破裂、煙道ガスの爆発又はこれに準ずる事故が発生した時は、事業者は、遠滞なく事故報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

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